○中川(康)委員 おはようございます。公明党の中川康洋でございます。
 私も、今回の法律案につきまして、御質問を何点かさせていただきたいというふうに思っております。
 私は、こちらに来る前は、四日市の市議会議員、さらには三重県の県議会議員ということで地方議員をしておりまして、まさしく地域公共交通のあり方、さらには再構築の議論にずっと携わってまいりました。そういった認識、経験も含めて、きょうは三点ほど御質問をさせていただきたい、このように思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 初めに、この法律案が提出された背景そのもの、地域公共交通の現状及びその必要性についてお伺いをしたいと思います。
 鉄道やバスなどの地域公共交通は、日ごろから人々の生活に密接にかかわるものであり、地域の経済活動の基盤をなすものであるというふうに思っております。
 しかしながら、この地域の公共交通、現状は、マイカー利用者の増加によりまして、特に地方部において、その輸送人員は非常に減少傾向にあるという状況がございます。
 具体的には、平成五年度から二十五年度の直近二十年間における輸送人員の減少率は、地域鉄道については約二二%、さらにはバスについては約三二%の減という状況でございます。また、平成二十五年度には、地域の鉄道事業者の約七四%、さらにはバス事業者の約七一%が赤字でございまして、地方都市や特に過疎地域などにおいて、鉄道、バス事業者などのいわゆる交通事業者が不採算路線ということで撤退するなど、地域公共交通の空白地域が拡大をしているという状況がございます。
 そこで、まず初めにお伺いをいたしますが、国土交通省といたしまして、鉄道やバスなどの地域公共交通の現状をどう捉えているのか、また、その必要性についてどのように認識されているのかを伺います。
 特に、この必要性につきましては、これからの地方の大きな課題であります地方創生、さらには人口減少社会への対応の視点も踏まえて御答弁をいただきたいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。

○太田国務大臣 人口減少やモータリゼーションの進展によりまして、公共交通事業者の経営悪化が進行し、特に地方部において、公共交通ネットワークの縮小、サービスの低下が懸念をされているという状況です。
 しかし、地域公共交通は、地域住民の移動手段としても極めて重要でもありますし、とりわけ車を運転できないという学生や生徒、あるいは高齢者、障害者、妊産婦等にとりまして欠かすことのできない存在であろうと思います。
 私は、コンパクトシティーということを言っておりますが、全部切り捨てて町の中ということを言っているわけじゃなくて、人は、その土地に愛着を持ちながら、文化を呼吸しながら生きるものであるというのが私の哲学でありますが、そういう意味では、住み続けられるようにということからいきますと、公共交通というのは極めて重要だというふうに思っております。
 その状況変化に対応して、コミュニティーバスとか、あるいはディマンドバスとかタクシーとか、またICTの活用であるとか、さまざまな側面が今生じている。これを的確に、まちづくり、そして生活の利便性ということで確保しなくてはいけない。
 こういうことから、一昨年には交通政策基本法が制定されて、この二月には交通政策基本計画を閣議決定させていただきました。三つの基本方針を出しておりますが、その中の第一項目の生活交通の問題、利便性ということに政府を挙げて取り組みたい、このように思っています。
 昨年の通常国会で地域公共交通活性化再生法の改正を行いまして、地方公共団体が主体となって、地方の公共交通ネットワークの再構築ということで、上下分離を初めとする、そうしたことについての手だてを出させていただきましたが、一層いろいろな形でのメニューというものが必要だし、御判断を地方自治体にいただきたいというふうに思っています。
 地方創生で極めて重要なまちづくり、この公共交通というものが本当に、活性化再生法という名がついているわけでありますが、再生し、活性化していくようにということを強く思っているところです。

○中川(康)委員 大臣、大変にありがとうございました。
 大臣からは、人が住み続けられるようなまちづくり、そこに地域公共交通は非常に重要なポイントであるというお話をいただきました。
 私も、地域公共交通のあり方、人を中心とした、また住民を中心とした考え方をお持ちいただければというふうに思っておりますし、最終的には、コミュニティーバスとかデマンド交通、こういったところになってくると思いますけれども、何らかの手段がなくなってしまうと、その地域は一気にいわゆる衰退をしてしまう、こういったことも誘発をしてしまうのではないかなと思いますので、またひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは次に、今回提出をされました法律案の中身について少しお伺いをいたします。具体的には、鉄道・運輸機構が行う出資の中身について確認をいたします。
 今回、この法律案に示されております基本スキームでは、鉄道・運輸機構は、国土交通大臣の認可を受けた基準に従い、地域公共交通活性化再生法に基づく認定を受けた新会社に対して、民間出資とともに出資等を行うこととされておりますが、鉄道・運輸機構が新たな会社に出資する際に、その出資の限度額、また民間出資との限度比率、これを設定するのか、さらには、設定する場合はどの程度を考えているのか、この点をお伺いしたいと思います。

○滝口政府参考人 今回の鉄道・運輸機構によります出資は、あくまでも収益性があることを前提に、一定のリスクを伴う事業に対しまして、必要となる資金の一部を構成し、民間資金の呼び水というふうにしようということを考えております。
 このため、機構からの出資割合でございますが、自治体からの出資分と合わせまして、民間出資の総額を超えないようにしていこうではないか、そういった努力をしていこうというふうに考えているところでございます。
 この具体的な考え方につきましては、大臣の認可を受けまして鉄道・運輸機構が定めます基準において定めることになります。今後、具体的な内容について、機構において検討されることになります。

○中川(康)委員 ありがとうございました。
 今、出資の比率等のお答えをいただいたところでございます。
 それでは次に、民間からの出資そのものについて伺います。
 民間からの出資につきましては、これは交通事業者とか民間企業、さらには地元の金融機関、ここら辺の想定があるというふうに思いますが、鉄道・運輸機構が出資をすることによりまして、民間出資を呼び込む効果というものがどのように出てくるのか、また、あると考えているのか。さらには、どのような方策を具体的に持って、これは国交省とか運輸機構が考えていく部分もあるかと思いますが、この方策をお伺いしたいというふうに思います。

○滝口政府参考人 今回の出資は、収益性があることを前提にしておりますが、一定のリスクを伴う事業というものに対しまして、民間の資金を誘う呼び水にしたい、こういうことでございます。
 出資の対象となる事業につきましては、まちづくりとの整合性を図りながら、地域公共交通の利用者のニーズに合致をしたよりよいサービスを提供するということ、そういったことを通じまして収益性の確保を目指すということになるだろうというふうに考えております。
 しかしながら、このような事業、地域公共交通に関します事業につきましては、その前提となりますまちづくりの進捗状況であるとか、あるいはそれに伴います人口動態の変化、こういったことがございます。潜在的な利用者は一体どうなるのかといったような問題がございまして、民間企業だけでは将来の見通しを立てることがなかなか難しいといったようなことがあるわけでございます。
 そこで、鉄道・運輸機構におきまして、中長期的な観点から事業の収益性を精査する、その前提といたしまして、ただいま申し上げたような将来の見通しを機構として立てていくということで、機構としても出資の判断をする、そしてまた、その上で民間の資金を引き出しやすくするというふうに考えております。
 この判断につきまして、地元の金融機関等の民間企業と意見交換をするといったようなことを通じまして、出資先の事業の意義、収益性などについて、関心を持つ金融機関などの方に十分御理解をいただくといったことを進めてまいりたいと思っております。

○中川(康)委員 ありがとうございました。
 今回、民間からの出資は半分以上をそれで考えていると。今回の基本スキームのポイントは、やはり民間をいかに呼び込むかというところだと思いますので、そこの方策というのはしっかりとお考えをいただければというふうに思っております。
 その上で、少しちょっと逆行する質問になるかもしれませんが、この出資業務を行うに際して国交大臣の認可を受けて定める基準を設ける、今、前田先生も御質問されておりましたが、この基準を設けるというところの中に採算性の判断基準というところがあります。
 確かに、今回のスキームが出資である以上、配当を生み出していく、これは重要な視点、当然な視点であるというふうに思うんですが、しかし、これはそもそも論ではあるんですけれども、この地域公共交通、幾ら新会社を設立して新たに進むとはいえ、そう簡単に収益性が見込めるものばかりではないということが、全般的な地域公共交通を考えた場合あるというふうに思っております。
 先ほど大臣も御答弁の中にありましたが、いわゆる学生とか高齢者、障害者など、地域住民の中においては地域公共交通に頼らざるを得ない人たちもいるというふうに思いますし、地方創生とか人口減少社会の対応から捉えた場合、この判断基準については、その選定の入り口の段階から余り狭めるのではなくて、少し柔軟性を持たせてこの判断基準、特に採算性というところをつくることが大事ではないかなというふうに思うわけですが、その点、いかがお考えでしょうか。

○滝口政府参考人 今回の鉄道・運輸機構による出資につきましては、国のお金を財源として、原資といたしまして出資をするわけでございます。したがいまして、中長期的に収益性の確保がなされるということが基本的には大前提ではないかと思っております。
 一方で、委員御指摘のように、全国各地の地域公共交通を見ますと、そういったような中長期的な収益性が見込めるということがあるのかという御指摘でございます。まさに人口減少あるいは高齢化といった中で、非常に厳しい状況にあるのはおっしゃるとおりでございます。
 そのため、中長期的な収益性が見込めない、あるいはリスクが非常に大きいといった問題、そういったようなものにつきましては、私どもの方で、国の方で用意をいたしております地域公共交通確保維持改善事業といったような補助金がございます。こういった補助金を最大限に活用することによって地域公共交通の確保、維持を図っていくということが必要なんだろうと思っております。
 この問題、どうすれば地域公共交通の確保、維持が図られるのか、そしてまた改善していけるのかということについては非常に重要な問題だというふうに認識しておりまして、ソフト、ハードにわたる多様な支援策、これは国土交通省のみならず、先ほど大臣の方からお答え申し上げましたが、他省庁のものも含めまして、そういったものを活用しながら、また、それぞれ適切な役割分担、機能分担を考えながら、地域の実情を踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。

○中川(康)委員 ありがとうございました。
 今回の法律案はいわゆる出資スキームでの考え方なわけでございます。しかし、地域公共交通の再編、再構築に全てこれが合致するわけではない、逆に言えばこれに合致するものの方が少ないのかなというふうに思っています。
 他方、いわゆる補助事業のメニューがあるということで、私が危惧するのは、やはりそちらの対象になる地域公共交通の再編の方が多いんじゃないかと。今回のいわゆる出資、投資スキームができたことによって、いわゆる補助スキームの方がボリュームとして減っていくことがないようにしていただきたいな。それは先ほどの前田先生のときの答弁にもあったものですから、少し安心をしたわけでございますけれども、そのところを少し私もこれから注視しながらいきたいと思いますので、やはり補助スキームのところもまたしっかりとボリュームを持っていっていただきたい、このように思っております。
 最後、三点目、少し具体的な話に入りますが、この法律案に関連をする形で、昨年十一月に施行されました改正地域公共交通活性化再生法に基づく鉄道事業再構築事業の公有民営方式に転換した地域鉄道への今後の財政支援について、お伺いをいたします。
 まさしく補助金によるスキームのところに当たるんですが、今回の法律案が出される前から、全国の自治体では既に国からの地域公共交通特定事業の認定を受けた例が幾つかございます。その一つが、私の地元であります三重県四日市市にあります四日市あすなろう鉄道でございます。
 この鉄道、四日市市内を走る今では珍しいナローゲージの、実は全長七キロという非常に短い鉄道でございますが、本年四月、これまでの近畿日本鉄道による運行から、四日市市が第三種鉄道事業者、そして新会社であります四日市あすなろう鉄道会社が第二種鉄道事業者という、いわゆる公有民営方式で新たに再出発をさせていただいた鉄道でございます。
 今後、四日市市としては、この四日市あすなろう鉄道が安全かつ快適に運行されるために、国の補助制度を有効に活用しながら計画的な設備更新を行っていきたい、このような思いでございますが、この設備更新に実は最も費用がかかるのが最初の四、五年というところでございまして、ここに確実な予算が確保されること、これが今後のこの鉄道の、継続的、持続的に運行される意味においては大変重要でございます。
 そこでお伺いをいたしますが、私は、鉄道事業再構築事業によって国の補助金交付を申請する地方自治体については、国はその補助事業に係る要望額に対して今後も確実な予算確保を行うべきであるというふうに考えております。
 近年、この補助金交付については、全国からの申請の多さから、案件によっては補助割れが起きているという例もあるというふうに伺っておりまして、やはり、そのような危惧の中で予算確保をしっかりとしていっていただきたいというふうに思っておりますが、国交省の御答弁をお願いしたいと思っております。
 またあわせて、国からの補助につきましては、地域鉄道の運営を今後も持続可能とするためにも、補助金交付申請を行う地方自治体の財政力指数にかかわらず、鉄道事業再構築実施計画の認定を受けた鉄道事業者については、補助率のかさ上げ、現在これは具体的には三分の一でございますが、これの二分の一へのかさ上げを検討すべきではないかというふうに思いますが、その点につきましても御答弁を願います。

○藤田政府参考人 お答えいたします。
 地域鉄道に対する支援としまして、その安全施設整備に対する国庫補助制度がございます。特に平成二十六年度におきましては、御指摘のように予算額に対しまして大変多くの御要望をいただきまして、残念ながら全ての要望にはお応えできない、こういう状況でございました。
 ただ、そうした中にありましても、いわゆる鉄道事業再構築事業、これはまさに鉄道事業者が自治体と連携して行う取り組みでございますので、この場合につきましてはできる限りの応援をしたいということで、そういった配慮のもとに予算の配分を行ったところでございます。
 御指摘の四日市のあすなろう鉄道につきましても、平成二十七年度補助対象事業として必要額の配分を行いました。
 それから、補助率につきましては、原則三分の一ということで、財政力指数の弱いところは二分の一ということを従来から行っておりますが、今年度の予算におきましては、鉄道事業再構築事業とあわせまして、地域公共交通再編事業、これは例えば鉄道への接続を改善するためにバスのダイヤを見直すといった事業でございますけれども、こういった地域公共交通再編事業を実施する場合には、財政力指数にかかわらず三分の一を二分の一にかさ上げするという制度を設けたところでございます。こういった制度の御活用をお願いしたいと思っております。
 今後も引き続き、鉄道事業者の要望額の把握に努めながら、必要な予算の確保に取り組んでまいりたいと考えておりますが、特に再構築事業につきましては、やはり地方公共団体が一体となった取り組みでございますので、しっかりと御支援をしてまいりたいと考えております。

○中川(康)委員 ありがとうございます。
 二十六年度、四日市あすなろう鉄道につきましては申請額そのものを御評価いただいたということで、これはもう本当に感謝を申し上げるお話でございます。
 しかし、二十六年度、全国からの申請が今答弁にもありましたとおり非常に多い中で、実は私ども、四日市市内の違う鉄道事業者につきましては、やはり補助割れが生じて、そのことが全体的に波及しまして、今後も大丈夫なのかというような心配が各自治体ないしは鉄道事業者に出てきたというようなところから、あえてこの御質問をさせていただきました。
 今お話しの中で、鉄道事業再構築事業をしたところについては評価していきたいというお話をいただきました。
 私も当然、地方自治体、主体的に、この再構築事業に対して汗をかき、また努力をしてきたわけでございますので、そこは評価しながら、やはり最初の四、五年はすごく大事でございますので、そこに対してはしっかりとした予算の確保を行っていっていただきたいというふうに思っております。
 地域公共交通再編事業、今年度からということでございますが、これはやはりもう一段高いレベルの再構築になってくるものですから、例えばバス事業者や鉄道事業者を含めてしっかりと話をして、ただ絵を描くだけではなくて現場の合意も要るものですから、少し段階の高い話になってくるのかなというふうに思っております。
 やはり地域公共交通はすごく汗をかいて頑張ってきたわけでございまして、そこに財政力指数というポイントは私は余り入れなくてもいいのではないかなというふうに思っておる一人でございます。
 現状は、財政力指数〇・四六を下回ると三分の一から二分の一ということでございますが、都市部であれ地域部であれ、地域公共交通のあり方をどうするかというところはどこも同じような課題でございますので、そういったことも含めて、やはり住民の足を確保するという意味においての地域公共交通の再編、再構築、ここはしっかりとまた引き続きお考えをいただければというふうに思っております。
 私も、地方議員を長くさせていただいた一人として、その問題にしっかりとこれからも携わりながら、地域の方にその公共交通があってよかったと言っていただけるような、そういったまちづくりに努めてまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。大変ありがとうございました。